インビザラインについて
インビザラインとは
従来の矯正はワイヤーを使用して歯を動かしてきましたが、インビザラインはワイヤーを使用せずに、取り外し可能なマウスピースを用いた新しい矯正方法です。現在では世界100カ国以上の国々で提供され、これまでに800万人を超える患者様が治療を受けられています(2020年1月時点:アライン・テクノロジー社調べ)
インビザラインによる治療を行う際、従来まではシリコン印象材を用いて歯型を取る作業が必要でしたが、当院では3Dスキャナーiteroを導入しておりますので印象材での型取りは必要ありません。
嘔吐反射などの理由で型取りが苦手な方でも、気軽に矯正治療が行えます。
インビザラインの特徴
1. 痛みが少ない
インビザラインは従来の矯正装置に比べ、比較的痛みが少ないと言われています。
その理由の一つとして、インビザラインでは一つのマウスピースで動く歯の移動量が0.25mmと非常に少なく設定しており、過度な力がかかりにくいことが挙げられます。
2. 取り外しができる
インビザラインは取り外し可能な為、従来の矯正装置のように装置にプラークが沈着することがなく、歯や歯周組織を清潔に保つことができます。
3. 食べたい物がたべられる
従来型の矯正装置ですと、繊維質の物は絡みやすく、わずらわしさがあるかと思います。
インビザラインの場合は取り外しが可能ですので普段と変わらず食事を楽しむことができ、快適です。
4. 金属を使用していない
インビザラインはプラスチック製の為、金属アレルギーを引き起こす心配がありません。
金属アレルギーで矯正治療を断念した方も、安心して治療を受けて頂くことができます。
5. 透明で目立ちにくい
「矯正治療がしたくても見た目が気になる」という方は多いのではないでしょうか。
インビザラインは薄く透明で目立ちにくい装置です。ほとんど 周りに気付かれることはありません。
光学スキャン(iTero)
「iTero(アイテロ)」は、専用の口腔内カメラでお口の中を撮影することで型取りを行うことができる最新の3Dスキャナーです。
現在、歯科医療現場で使用されている3Dスキャナーはいくつか種類がありますが、その中でもインビザライン矯正のための型取りにも対応しているのはiTeroのみ。 より精密な型取りが可能になるのはもちろん、治療のシミュレーションもより細かく正確に算定することができるようになるため、より確実な治療結果を届けることができるようになりました。
矯正治療以外でも、噛み合わせの診断やつめものや被せ物を作成する際の型取りとしても利用できますので、「型を取る時の粘土のような材料が苦手。。」という方も楽に治療を受けて頂くことができます。
1、精密・正確な型取り
従来、インビザライン矯正を開始する際には、シリコンという印象材を用いて歯型を採取する必要がありました。
シリコンは現在数種類ある印象材の中でも最も歪みや変形が生じにくい材料とされていますが、口から型を外す時にはどうしても力が加わってしまいますので、わずかではありますが歪みが生じてしまうのは避けられませんでした。
しかし3Dスキャナーによる型取りの場合、印象材の歪みによる誤差が発生しないため、精度の高い歯型を採取することが可能です。
また採取した後の歯型もデータとして管理することができるため、精度を保ったまま保管することができるというメリットもあります。
2、快適性・安全性の向上
従来の粘度のような材料は使用しないため、嘔吐反射の強い方や口が開けにくい方であっても、不快感なく型取りを行うことができます。
型取りに要する時間も、上下顎すべて合わせても1分で終了しますので長時間お口を開けている必要もなくなりました。
またシリコン材を使用しませんので、従来のように印象材がのどに流れ込んで誤嚥してしまうという心配もありません。お子様でも安全にご利用いただけます。
3、スピーディな治療
従来の型取りの場合、採取した歯型は空輸でアメリカまで送る必要があったため、マウスピースができるまでにどうしても時間がかかってしまうというデメリットがありました。
しかし、3Dスキャンによる型取りの場合は歯型をデジタルデータの形式で採取することができるため、データをインターネットで送信することができます。これにより、従来よりも10日間ほど早く治療を始めることが可能になりました。
また、スキャンしたデータはその場にあるモニターですぐに確認することができるため、再来院や模型の作り直しは必要になる心配もありません。
iTero(アイテロ)による歯型採取
Step 1) 歯型のスキャニング
iTeroを使用して上下の歯型を記録していきます。
お口を開けるのがつらい方の場合は何カ所かに分けて撮影をすることもできますので、顎が疲れる心配や、嘔吐反射が起こる心配もありません。
上下の歯型を全部採取するまでも1分足らずで完了してしまいます。
Step 2) モニター画面で歯型を確認
スキャニングを行った後は、その場にあるモニターですぐに採取した歯型を確認することができます。
仮に歯型の取得に不備があった場合でもその場で確認できるため、再度来院していただく必要はありません。
3Dシュミレーションで歯の動きを事前確認
採取した歯型はデータとしてそのままアメリカに送信し、シミュレーションを依頼します。
インビザラインは全てアメリカのコスタリカにある制作工場でつくられるため、従来は歯型の空輸などのやり取りで約3週間ほどの期間を要していましたが、データでやり取りすることによりこの時間を大幅に短縮することができるようになりました。
約3~5日でシミュレーション結果が送られてきますので、その結果をもとに患者さまとご相談しながら治療計画を立てていきます。
インビザラインに必要な期間
インビザラインは、従来のワイヤー矯正と治療期間は同程度で、平均的に1~2年程度が多いです。矯正治療の期間には個人差がありますので、部分的な場合には数ヵ月で終わる場合もありますし、歯を動かす量が多い場合には2年以上かかることもあります。